フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.3

BWDM-1027

フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.3

(BWDM-1027)

アメリカ映画史の闇に潜んでいた傑作がいま甦る!!

▶DISC1「国境事件」 Border Incident (1949/B&W/94分)
監督:アンソニー・マン 撮影:ジョン・オルトン 出演:リカルド・モンタルバン、ジョージ・マーフィ
マン=オルトンのコンビが作り上げた初期の傑作『Tメン』(’47)を同じコンビでリメイクしたノワール。舞台はアメリカ=メキシコ国境の町。メキシコから労働者を不法入国させる闇組織を摘発するため潜入捜査する二人の捜査官を描く。国境の山岳地帯を不法に超えようとするメキシコ人たちをギャングが 待ち伏せして殺し、金品を奪い、その死体を底なし流砂に沈めるシーンから始まるこの作品は、同じ底なし流砂の最後のクライマックス・シーンまで、全編、劇的な緊張の連続でノワール色に彩られた傑作。『Tメン』でも見られた一人の捜査管が同僚が殺されるのをみすみす見殺しにせざるを得ないシーンなど、リアルでスリリングなショットは見応え十分。。

▶DISC2「捕われの町」 The Captive City (1952/B&W/91分)
監督:ロバート・ワイズ 出演:ジョン・フォーサイス、ショーン・カムデン
ある地方都市の警察署に緊張した様子で若い男女が駆け込んでくる。彼はとある町の新聞社の編集主幹で、ある件で彼に助けを求めていた男が突然、変死し警察をも巻き込んだ組織犯罪の実態を探り出したのも束の間、組織から追われる身になってしまっていた。1949年から~53年までアメリカ上院で組織犯罪撲滅の委員会が作られ大きなニュースになった結果、ハリウッドでもラングの『復讐は俺に任せろ』(’53)など多くの組織犯罪を描いた映画が作られたが、この作品もその1作。あらゆるジャンルの作品を撮り上げた巨匠ロバート・ワイズがホーグ・レンズという広角レンズを使って全編キュメンタリー・タッチで生々しく描いた佳作。。

▶DISC3「スキャンダル・シート」 Scandal Sheet (1952/B&W/82分)
監督:フィル・カールソン 原作:サミュエル・フラー(ダーク・ページ) 出演:ブロデリック・クロフオード、ドナ・リード、ジョン・デレク
三面記事が売りものの新聞社の編集主幹があるパーティで昔捨てた妻に出くわす。過去の正体をばらすと脅され咄嗟に女を殺し事故に見せかけるが、自分が手塩にかけて育てた部下の敏腕記者がそれを殺人と推測する。部下の推理を否定しきれなかった編集主幹は、事件をトップ記事として取り上げざるをえなくなる。新聞の売り上げが伸びるが、警察の捜査も次第に彼の身近に迫ってくる中、殺人隠蔽のため主幹は新たな犯罪に手を染めていく。社会派的な題材と斬新な画面処理の犯罪映画で50年代を代表するノワール監督となったカールソンの意欲作。

▶DISC4「トゥルー・クライム殺人事件」 The Unsuspected (1947/B&W/103分)
監督:マイケル・カーティス 撮影:ウッディ・プレデル 出演:ジョアン・コールフィールド、クロード・レインズ
オープニングのシーン。壁を這い回る黒い男の影。自殺に見せかけて自分の女性秘書を殺害した男の顔が磨き抜かれた机の上に映し出される。映画の冒頭から殺人者の正体を明かしていく、大胆な物語進行で撮り上げたマイケル・カーティスの名人芸としか言いようのないフィルム・ノワール。ロバート・シオドマクのノワール傑作『幻の女』『殺人者』などのカメラマン、ウッディ・プレデルが全編を貫く鮮やかなカメラ・ワークでノワールの内面を映し出して秀逸。

▶DISC5「替え玉殺人計画」 His kind of Woman (1951/B&W/120分)
監督:ジョン・ファロー、リチャード・フライシャー 出演:ロバート・ミッチャム、ジェーン・ラッセル、ヴィンセント・プライス
ギャンブラーのミッチャムはある日、メキシコで1年過ごせば数万ドルの報酬という謎めいた仕事を引き受ける。フライトの中で知り合った億万長者の歌手のラッセルは、メキシコで撮影中の有名俳優プライスと結婚するつもりだった。プライスとミッチャムは親しくなるが、ミッチャムは次第にラッセルに惹かれていく。ある日連邦捜査官がミッチャムを訪ね、アメリカを追放されたギャングが密かにアメリカに帰国するため、似た容姿の人間と顔を取り替える計画が進んでいると告げ、やがて事態は思わぬ展開につき進んで行く。製作のRKO社長、ハワード・ヒューズはジョン・ファローが撮り上げた全編を気に入らず、後半のアクション・シーンなどをフライシャーに依頼して完成させた。映画はは大ヒットし、RKOの歴史に残る1本となった。

▶DISC6「影を追う男」 Cornered (1945/B&W/102分)
監督:エドワード・ドミトリク 出演:デイック・パウエル、ミシェリーヌ・シェイレル、ニーナ・ヴァール
捕虜収容所から釈放されたカナダ人空軍パイロット、パウエルはフランス人妻を殺した犯人を追い始める。その男がフランスのナチ協力政府ヴィシー政権の役人だと突きとめ、パウエルはスイス、アルゼンチンへと追って行く。アルゼンチンの反ナチ勢力とも手を結ぼうとしない主人公は正義のために動いている訳ではない。ただ私憤に駆られているだけだ。しかし、実は妻とは結婚後わずかしか過ごしておらず、長い時間が経って今となっては顔さえ思い出せない。一方、彼が追う仇の男も正体不明で顔を見たものはほとんどいない。『ブロンドの殺人者』(’44)に続いて同じスタッフ、キャスト(製作、監督、撮影、音楽、美術、主演)で作られた人間の内面に迫る異色フィルム・ノワール。

▶DISC7「窓」 The Window (1949/B&W/73分)
監督:テッド・ラズラフ 原作:コーネル・ウーリッチ 主演:ボリー・ドリスコル、アーサー・ケネディ、ポール・ステュアート
ニューヨークのアパートで両親と暮らすトミー少年は、日頃から自分の空想した作り話を人に聞かせては両親を困らせていた。ある蒸し暑い夜、外の階段で寝る事にしたトミーは、上の階に住むケラートン夫妻の部屋で起った殺人を偶然目撃してしまう。しかし日頃の言動から誰もトミーの言葉を信用しないばかりか、夫妻に目撃した事を知られてしまい、魔の手がトミーに忍び寄ってくる。ヒッチコックの『汚名』などのカメラマンとして名高いテッド・ラズラフがコーネル・ウーリッチの短編を映画化したもので、綿密な脚本構成と優れた演出力で1949年ベルギー国際映画祭の監督賞を、主演のドリスコルはアカデミー特別賞をそれぞれ受賞した。

▶DISC8「武装市街」 Union Station (1950/B&W/81分)
監督:ルドルフ・マテ 主演:ウイリアム・ホールデン、ナンシー・ウィルソン
富豪の盲目の娘が誘拐され、誘拐した一味は身代金として10万ドルを要求してきた。ニューヨークのユニオン・ステーションと周辺の駅を舞台に展開する犯罪ドラマで、犯人を追いつめる鉄道警察の保安刑事ホールデンを中心に描かれる。犯人の一人が高架を走る電車を乗り継いで逃げるシーン、その男が牛の集積場で暴走する牛に踏み殺されるシーン、ユニオン・ステーションの地下の鉄道の場面など、視覚的に見応えのあるシーンがテンポよく綴られ、最後まで目を離せない。様々なジャンルの作品を手際よく作り続けたルドルフ・マテの犯罪活劇の力作。

【キャスト】
リカルド・モンタルバン、ジョージ・マーフイ、ウイリアム・ホールデン、ナンシー・ウイルソン 他

【スタッフ】
監督:アンソニー・マン、ロバート・ワイズ、ジョン・フアロー、リチャード・フライシャー 他

【コピーライト】
発売元・販売元:株式会社ブロードウェイ

【発売日】2013年9月6日
モノクロ/1941~50年アメリカ/英語/字幕:日本語/トールケース8枚組/収録時間:約746分/原題:各資料参照
価格:¥18,000+税

在庫状態 : 在庫有り
¥19,800(税込)
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