フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.4
フィルム・ノワール ベスト・コレクション DVD-BOX Vol.4
アメリカ映画史の闇に潜んでいた傑作がいま甦る!!
▶DISC1「テンション」 Tension (1950年/B&W/75分)
監督:ジョン・ベリー 出演:リチャード・ベイスハート、オードリー・トッター
ドラッグ・ストアを経営する実直な夫は、金持ち男と浮気している我が侭な妻にまだ未練を持ってる。新しい男の元に身を寄せた妻を追いかけ家を訪ねるが、男に暴力を振るわれたことが原因で愛人を殺そうと考える。しかし、傲慢な悪女妻のために殺人を犯す価値はないと気づいた夫は計画を思いとどまる。だが、その男が突然何者かに殺され、その直後、妻が夫のもとに帰宅したことから状況が一変する。警察が訪ねてきて、夫は男の死を初めて知る。そして、二人は刑事の追求を受けるが事態は思わぬ展開を見せはじめる。このノワールの最大の魅力はトッターの悪女ぶり。夫を小馬鹿にし彼女を連れ戻そうとやって来て、男に殴り倒された夫を楽しげに見下す様子など、そのファム・ファタルぶりは際立っている。
▶DISC2「危険な女」 The Locket (1946年/B&W/86分)
監督:ジョン・ブラーム 出演:ラレイン・デイ、ロバート・ミッチャム、ブライアン・エイハーン
ナンシー・ブレアの三度目の結婚式の日に突然、前夫のブレア医師が現れる。彼は、彼女の過去について旦那のジョンに、ナンシーが自分にどれだけひどい仕打ちをしたかを伝える。ブレア医師の警告にはナンシーの最初の夫である画家ノーマンのことも含まれていた。あるトラウマを持った女が、結婚した二人の男の人生を破滅へと向かわせる内容で、複数回の回想シーンをフラッシュ・バックで見せながら、彼女の心の中の闇を解き明かしていく。’37年にハリウッドに亡命したドイツ出身の監督ジョン・ブラームの異色フィルム・ノワール。
▶DISC3「容疑者」 The Suspect (1944年/B&W/85分)
監督:ロバート・シオドマク 出演:チャールズ・ロートン、エラ・レインズ
1902年のロンドン。煙草商のフィリップは誰に対しても親切で善良な男だったが、意地の悪い妻コーラとの結婚生活は破綻していた。ある日、職探しで訪ねて来た孤独な女メリーに職を紹介した事から、その後、度々、彼女と会うようになる。フィリップはコーラに離婚を迫るが高笑いされてあしらわれてしまう。頭に来たフィリップは事故死に見せかけ、コーラを階段から突き落として殺害する。ロンドン警視庁のハクスレー刑事は他殺と睨むもフィリップを追求する。だが、証拠が挙げられずいったんは引き下がる。フィリップはメリーに自分が殺人の嫌疑がかけられている事を打ち開けるが、彼女は結婚を望んでいた。やがて二人は結婚するのだが、コーラの死を怪しんでいた隣家のシモンズがフィリップを恐喝してきた事から、事態は思わぬ展開に突き進んでいく。’40年に渡米後、多くのフィルム・ノワールを手がけたシオドマクがコスモポリタン誌に掲載されたジェームズ・ロナルドの小説を映画化した佳作。イギリス出身の名優チャールス・ロートンが主人公フイリップを好演。
▶DISC4「落とし穴」 pitfall (1948年/B&W/86分)
監督:アンドレ・ド・トス 出演:デイック・パウエル、リザベス・スコット、ジェーン・ワイアット、レイモンド・バー
ロサンゼルスに住む保険会社員のジョン・フォーブスは妻と子供のいる典型的な中流家庭の生活をしている。だが、日々の暮らしのなかで日常にはない刺激を求める“違う自分”がいる事にも気づいている。それは保険金の使い込みの調査を始めた時に出会った、クライアントのデパート店員モナの存在がフォーブスを闇の世界に引きずり込むきっかけとなった。アメリカン・ドリームの裏側の隠された世界を描いた職人監督ド・トス監督の歯切れのいいノワール快作。
▶DISC5「高い壁」 High Wall (1947年/B&W/100分)
監督:カーテイス・バーンハート 出演:ロバート・テイラー、オードリー・トッター
空軍を退役したスティーヴ・ケネットは、戦争後遺症でひどい頭痛と記憶喪失に悩まされ、自分が妻を殺したと思い詰めていた。妻がウィラードと浮気しているのを知り、彼女を絞め殺そうとするが気を失ってしまい病院に運ばれる。気がつくと死んでいる妻と共に自殺しようとしている自分がいる。スティーヴは、医師アンの麻酔療法によって当時の状況を思い出そうとすが、肝心の部分が曖昧なままで核心に迫れないでいた。『追求』『失われた心』など独自のフィルム・ノワール感覚で問題作を発表したバーン
ハートの見応えある一作。ポール・ボーゲルのキャメラ・ワークが全編、緊迫感を盛り上げている。
▶DISC6「ダーク・シテイ」 Dark City (1950年/B&W/98分)
監督:ウイリアム・ディターレ 出演:チャールトン・ヘストン、リザベス・スコット
田舎町で競馬のノミ屋をやっているダニー・ヘイリーが足を洗いたがっているのを薄々感じ、自分が捨てられるのではと恐れている女友達のフラン。そんな時ダニーはロスから仕事でやって来たアーサーとクラブで知り合い、仲間と共に彼をイカサマ・ポーカーに誘い有り金5,000ドルを巻き上げる。だが、他人から預かっていたお金をすってしまったアーサーは、絶望のあまり自殺してしまう。ダニーはアーサーの自殺の責任を否定するが、仲間のバーニーが何者かに殺された事から、ダニーにも魔の手が忍び寄ってくる。自殺したアーサーの偏執狂の兄が、弟の仇を取ろうと画策しているのだった。狂気の復讐鬼から命を狙われる男の闘いを描いたサスペンス・ノワール。主人公ダニー役でヘストンが鮮烈のデビューを果たした他、ファム・ファタル女優として名高いリザベス・スコットがフラン役で出演。
▶DISC7「アンダーワールド・ストーリー」 Underworld Story (1950年/B&W/91分)
監督:サイ・エンドフィールド 主演:ダン・デュリエ、ハーバート・マーシャル、ゲイル・ストーム
ある地方紙の記者マイク・リースは、ギャングに不利な証言をする証人の存在をすっぱ抜いて掲載したため、証人が殺されマイクは新聞社を頸になる。業界での復活を狙うマイクは、広告主である地方紙が資金の出資を求めている事を知り、その新聞社を乗っ取ろうと顔見知りのギャングから資金を調達する。しかし、彼がその地方紙を訪ねると事件が発生する。新聞社の社長の息子の嫁が、何者かに殺害されたのだ。マイクは密かに犯人は息子だと確信するが、息子は黒人のメイドに罪を着せようとする。マイクはこの事件を利用して、ジャーナリストとしての真実を探求する事より自らの地位と存在を有利にするため動き出す。徹底したリアリズム描写でフィルム・ノワールに独自の地位を築いたエンドフィールドの傑作。
▶DISC8「ジョニー・オハラの真実」 The People Against O’Hare (1951年/B&W/102分)
監督:ジョン・スタージェス 主演:スペンサー・トレイシー、パット・オブライエン
弁護士ジェームス・カータインは法律の世界から遠ざかっていた。不器用で一途な性格とアルコール中毒が原因だった。しかし、彼は再び法廷に戻ってきた。殺人罪で告発されたジョン・オハラを救い出すために。だが、彼の復帰を喜ばない闇の世界の人間たちも同時に動き出す。『ミステリー・ストリート』(’50)に続くスタージェス・ノワールの佳作。名手ジョン・オルトンが捉えたニューヨークの臨場感溢れる映像は圧巻。
【キャスト】
スペンサー・トレイシー、ラレイン・デイ、ロバート・ミッチャム、ディック・パウエル 他
【スタッフ】
監督:ロバート・シオドマク、アンドレ・ド・トス、ウィリアム・ディターレ 他
【コピーライト】
発売元・販売元:株式会社ブロードウェイ
【発売日】2014年4月4日
モノクロ/1941~50年アメリカ/英語/字幕:日本語/トールケース8枚組/収録時間:約757分/原題:各資料参照
価格:¥18,000+税